サーバが無くてもバーチャルキャスト上でのスライドを作れるSlide4VRをリリースしました

バーチャルキャスト上でのプレゼンを支援するSlide4VRをリリースしました

Slide4VR - VirtucalCastでのプレゼンを支援

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背景

テックポエムと称してVRで色々話す配信をしているのですが、スライド準備の手間を減らしたくてバーチャルキャストでスライドを作るのを支援するサービス作りました。

バーチャルキャストではホワイトボードを使って指定した画像をVR上で表示することが出来ます。これは中々優れものでVR内のレーザポインタ等で複数の画像を切り替えれるのでスライドとして使うことが出来ます。

なので、パワポなどでスライドを作ってpngなどの画像に変換してやれば比較的簡単にスライドを作ることが出来ます。スクリーンショット等だけだとしても一度パワポを経由すると画像サイズなどが均等になるのでスライドのサイズがめくる毎に変わったりしないのでお勧めです。

ただ、このホワイトボードはインターネット上の公開サーバに画像を配置する必要があります。自前の公開サーバを持ってる人は少ないと思うのでここがネックでした。

一応、下記の記事にあるようにGoogle Driveを使って公開URLを取得する事で、サーバが無くてもスライドを作る事もできます。

qiita.com

私も最初この方法でスライドを作ってたのですが、以下の問題点がありました。

  • URLがランダム文字列なのでスライド枚数分取得する必要がある
  • VirtualCastの管理画面から1個1個URLを張り付けるのが数が多いと面倒

C:\Users\${USER}\Documents\My Games\VirtualCastにあるconfig.jsonに記載してやればGUIで指定する必要はないのですが結局URLがランダムなのでリンクの自動生成ができないので非常に手間がかかっていました。

というわけで、上記を毎回やるのが面倒なので楽をしたいと思ったのが開発の主なモチベーションです。

主な機能と特徴

基本的な機能はPDFまたはPPTXをアップロードすると自動で画像に変換してconfig.json用のJSONファイルを出力してくれるというものです。 以下が主な特徴です。

PDFやPowerPointファイルをアップロードするだけ

バーチャルキャストのプレゼンに使う「 ホワイトボード」はインターネット上の「誰でもアクセスできる状態」場所に置いた画像を表示する事が出来ます。 Slide4VRではアップロードしたPDFまたはPPTXファイルを自動で画像に変換してWebからアクセス出来る場所に配置します。自分でサーバを用意する必要はありません。

ちなみにPPTX変換はLibreOfficeを使っているので、レイアウトが崩れる事や対応してないフォントがある場合もあります。そのため特に問題が無ければPDFを使うのがお勧めです。

ホワイトボード用のJSONを自動生成

ホワイトボード用のURLをVirtualCastの設定画面から一つ一つ指定するのは大変です。Slide4VRではPDFまたはPPTXから変換した画像のURLを自動で config.json形式に変換して表示します。設定ファイルにコピペするだけでOKなので面倒な作業を大幅に短縮できます。

アカウント作成は不要

Slide4VRではセキュリティと利便性の観点から独自の認証機能は持たずにSNS認証のみをサポートします。既にもっているGoogleTwitterといったいつも利用しているアカウントを使うので、手間いらずかつ安心して利用できます。

使い方

使い方は簡単です。

まず、GoogleTwitterのどちらでも良いので認証ボタンを押します。こちらでOAuth認証を行ってSlide4VRにログインします。

つづいて右上にある「スライドを登録」をクリックして登録画面に遷移します。

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「アップロードボタン」を押すと一覧ページに戻ります。変換中はステータスのアイコンがぐるぐる回っていると思うので数秒から数十秒くらいまってください。

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アップロードが完了したらタイトルをクリックします。するとポップアップが立ち上がり変換された画像のリンクがJSON形式で取得できるので、こちらをconfig.jsonに貼り付けてVirtualCastを起動すればOKです。

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まとめ

とりあえず、まだ作ったばかりで正直言えばデバック足らない部分もありますが、VirtualCast上でプレゼンしたりスライドが欲しい人は結構便利に使えると思います。素敵なVRライフを目指しましょう!

バグ報告とか要望は私のTwitter(@koduki)まで頂ければ出来る限り対応したいと思います。

あと今回はマイクロサービスとかをある程度頑張ってみたので、アーキテクチャ的なことに関する記事は別途書きたいと思います。

それではHappy Hacking!

テックポエマーのWeekly News! - 2020/08/23 - わたしのの戦闘力(コア数)は85万です

www.youtube.com

バーチャルテックポエマーの紅月美鈴です。今週気になったITネタについて話す動画です。今回はHot Chips 2020があったので世界最大のプロセッサ WSE、スパコン向けのRISC-V Manticore, AribabaのRISC-V Xuantie 910 がやはり気になりましたね。他にもSlideShareが買収されたり、Mozillaレイオフの影響でRust財団が出来ることになったりと比較的動きがあった週かと思います。

あと、しーらのさん、ケイさん凸ありがとうございました!

利用したスライドはこちらです。

今週のサマリ

  • Typescript 4.0 リリース
  • Hot Chips 2020
  • EPICの乱
  • 進化するバーチャルシンガー

動画中の引用記事

japan.zdnet.com

www.atmarkit.co.jp

www.itmedia.co.jp

www.itmedia.co.jp

iphone-mania.jp

ascii.jp

www.anandtech.com

www.anandtech.com

pc.watch.impress.co.jp

www.youtube.com

www.youtube.com

www.gamespark.jp

IPアドレスは個人情報ですか? Yes、その通り!

はじめに

最近、noteでIPアドレスが漏洩したという事で話題になっていますね。

note.jp

その中に、

なお、一般的なIPアドレスから、個人情報を特定することはできません。

とあります。言われたい事は分かるのですが最新の個人情報保護の観点からはIPアドレスは個人情報そのものです。せっかくなので今回は個人情報って何? っていう点を含めて解説動画を作成してみました。

www.youtube.com

動画の補足&解説

個人情報とは?

動画の中でも話しましたが「個人情報」というのは現代の定義では非常に広範囲です。また、面倒なのはこの定義は法律やレギュレーションによって結構違います。

最近の定義はGDPRっぽい内容を採用していることが多いですが、古いものは全然違う事もありますし、GDPR/CCPA/個人情報保護法案の中でも違いはあります。下記のブログが非常によくまとめられているので参考になると思います。

note.com

ちなみに、日本では厳密にはIPアドレスは個人情報では無いこともあります。他の個人情報と組み合わせれなければ個人情報では無いですね。なので今回の件でnoteが他の個人情報は管理してないならば、セーフになります。とはいえ、多くの会社では紐づけれる可能性が非常に高いですし、なによりこの手の法律は今後厳しくなっても緩くなることは無いのでGDPR/CCPAに従っておくのが無難だと思います。

それと動画の中で言うのを忘れていましたが、指紋や顔などの生体情報も重要な個人情報です。普通しないでしょうが、生体認証をサーバサイドでやる場合には要注意ですね。

もう一つ注意点として、繰り返しますが言葉の定義の揺らぎが非常に多いことです。「PII」と言ってもどういう意味か一意にはならないので、社内で定義しなおすか「GDPRと同様の定義を使う」 とか「個人情報保護法案の個人情報の定義に準拠する」とかを明示しないと混乱します。レギュレーションによってはPIIが識別子だけを指すケースもありますし。。。

IPアドレスと一意性

IPアドレスは個人の認証には使えません。それは、動画でも述べた通り場所に紐づくので家族や職場/学校、場合によっては集合住宅で同一になるからです。

また固定IP出ない場合はISPの都合の良いタイミングで変わる事もあります。しかしながら、実際にはさほど頻繁には変わらないため、確実性の低い本人識別の手段としては十分に機能してしまうんですね。

警察がIPアドレスを頼りに操作をして炎上するのは、確実性の低い本人確認手段であるIPアドレスを唯一の根拠にしてるように見えるからであって、補助情報として使うのはとても正しいのだと思います。

Re-identificationとビッグデータ

IPアドレスからインターネット上の他の情報をかき集めて「個人」を浮き彫りにする作業をRe-identificationと呼びます。別に犯罪じゃなくてもマーケッティングやアドテクでも使われますね。今は適切に運用する事が求められますが。

そしてこれにMLや統計処理と組み合わせることで、存在しないピースを埋めることもできます。

www.dappsway.com

これは技術的にはとても興味深いですが、情報の取り扱いとしては見せ方も含めて気にする必要があるという事例でもあります。

注目するべき法律/レギュレーション/スタンダード

動画でも話した通り代表的なものは以下です。

他にもPマークとかを思い浮かべる人も居るかもしれませんが実はあの定義は少し古いです。個人情報の範囲が少し狭かったり、個人情報処理者の視点が抜けてたります。なので、個人情報の管理がしっかりできてる事を示せるスタンダードのISO27701 (PIMS規格)への準拠を目指す方が今後は良いはずです。

ちなみに動画の中で2018年と2020年にプライバシー保護法が改正と言ってしまいましたが、2017年と2020年でした。すいません。

個人情報の取り扱い方と非個人情報化(De-identification)

仮名化(Pseudonymization)は匿名化(Anonymization)と違いまだ個人情報だと言いましたが、すべての個人情報が同じコントロールをしないといけないわけではありません。 個人情報なので取り扱いルールを適切に作って運用は必要ですが、それがあるならリスクに応じた運用は可能です。 たとえば、生データを触るのは携帯も持ち込めないセキュリティルームじゃないとダメだけど、仮名化後のデータは通常の執務室で取り扱ってもいいとか、そういうルールを定義して実行はできます。

なので個人情報を直接書き換えたりする必要がある業務以外はPseudonymizationを検討するべきだと思います。 GoogleCloud DLPなどPseudonymizationやAnonymizationをサポートしてくれるツールもあるので実務ではそれを使うのも検討してみても良いかもしれません。

まとめ

IPアドレスは個人情報っぽくは確かに思えないですが、きちんと個人情報です。言われてみればIPアドレスが動的に降られていてもめったに再接続しないから変わらないですよね。

かつては掲示板に書き込めば普通に公開されていた情報なので、そこまで取り扱いは厳しく無かったのですが現状ではやはり個人情報に準じる扱いをする必要があるなとあらためて思いました。

もう1点、GDPRが当時騒がれていましたが日本のプライバシー保護法案もそれにどんどん近いものになってきています。なので、この辺の知識は改めてアップデートしておくのは大事ですね。私も今回調べてみていろいろ勉強になりました。

それでは、Happy Hacking

テックポエマーのWeekly News! - 2020/08/15 - ローマである!

www.youtube.com

バーチャルテックポエマーの紅月美鈴です。今週、私が気になったITネタについて話す動画です。やはりローマは気になりますね。今後の動向という意味ではサムスンも見逃せません。あと今回はOoさんと亜希乃さんに凸って頂きました。ありがとうございます!

スライドは「こちら

動画観なおしてみると抽象構文木の説明が何言ってるかわけわからん過ぎるので、分かりやすそうな説明を見つけたのでリンクを追加しておきます。

今週のサマリ

  • Emacsでデフォルトがレキシカルスコープに
  • 大統一Nodeツールチェイン
  • ソフトウェアと地政学的問題、サムスンの逆襲
  • コロナとコミュニケーション、VR、コミックVケット

動画中の引用記事

mizchi.dev

qiita.com

dev.classmethod.jp

japan.cnet.com

www.huffingtonpost.jp

pc.watch.impress.co.jp

www.ntt.com

thebridge.jp

www.comic.v-market.work

コミックVケットに参加してきました

はじめに

夏と言えば夏コミ! と言いたいところですが、残念ながら今年はコロナの影響で中止となってしまいました。しかし、代わりにという分けではないのですが今年はVR上での同人即売会であるコミックVケットがありましたので、そちらに参加してきました!

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コミックVケットってなに?

コミックVケットは株式会社HIKKYが運営するVR上での同人即売会です。VRChatのイメージが強いですがClusterやSTYLYでも参加可能でした。

この会社は元々、VKET/バーチャルマーケットというVRで使うアバターなどの即売会をVR上でやるというイベントを運営している会社で、そちらはすでに4回実施されています。ちなみに次の5回目は12月末からです。

こちらはVR上のイベントという事で空間デザインも相当に凝っていて、単純に見に行くだけでも面白いです。コミックVケットはその同人誌即売会版というところですね。おそらく前々から話題としては上がっていて今回のコロナの件で「いっちょやってみるか!」となったんじゃないかなぁ、と。

場所はバーチャル秋葉原。実際の秋葉原モデリングして歩行者天国でブースを設置してる感じでした。なんだか久しぶりにアキバに来た感があってとても懐かしかったです。

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なんだか見おぼえのある感じですよね? とらのあなの元気な世界線は安心します。

ちなみに、コスプレスペースもありました。 f:id:pascal256:20200817132321p:plain

私は時間が合わずにイベントとかは見てないのですが、開会式とかトークショー?っぽいのはあったみたいですね。あと、VRChatの高画質版は人が多い時に入ると私のちょいツヨPC程度では重力に逆らえませんでしたw 人が少ない時間帯ならVRChatのQuest版やClusterなどでは普通にみれたので、高画質版どんだけ作り混んでるの!? という感じですね。

どういう本が買えたの?

即売会なのでどんな本が買えたの? というのは気になりますよね。以下が参加サークルの一覧です。

サークル一覧 | ComicVket

ブースもこんな感じでずらーっと並んだものが複数区画ありました。

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一通り見た感じでは1次創作がメインだけど2次創作も少なからずありました。あと、VRVtuberネタが何となく多かった気がしますね。これはプラットフォームの特性が大きいと思いますが、もしかしたら単に最近のイベントの傾向なのかも。ちょっとここ何年か行けてないのでわからず。。。

萌えな感じの作品も燃えな感じの作品も当然たくさんあったのですが、こういうカオスなラインナップもちゃんとあるのが夏の即売会という感じがしてとても好きですw

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というかトイレ研究会って阪大何やってんだ。。。 思わず買っちゃったじゃないかw

どういう感じで買えたの?

さて、気になる購入は? という事ですが基本は売り子さんの手渡しでは無く自動販売機方式です。

コミケなどの即売会と言えば売り子さんと話すのが楽しみという人も居ると思いますが、コミケなどと違って朝開いて夜に閉まるという分けでもないので24時間人間は活動出来ない以上仕方ないですね。私はタイミングが悪くて出会えてなかったですが、日中等なら作者さんなどがブースにいらっしゃった事もあるようなので、そのタイミングでなら会話できたと思えます。VRは空間を超越しますが、時間は越えられないので仕方ないですね。

ちなみに実際の作業としてはVR上で立ち読みして気に入ったらPCで買うという感じですね。 立読みは以下のようにVR上で行う事ができ、気に入ったら横のブラウザボタンを押します。

youtu.be youtu.be

ブラウザボタンを押すと「PC側の」ブラウザが立ち上がるのでそちらで購入をします。 購入はVケットのWebページ、Booth、とらのあなで実際の通販とサークルによって違います。この辺は急きょ開催という事もあってサークルが参加しやすい形にしたんでしょうね。

できれば将来的にはVR上でせめて購入まで完結してくれるとUX的に良いですねー。個人や有志では前払い型のポイントサービスを作るのは面倒ですがクレカならAPI叩くだけで良いものも多いですし、運営会社の

まとめ

正直、まだ粗削りなところはあると思います。特に購入体験の部分はVirtualCastと同じようにVRで完結してくれると非常に良いですね! 他にも権利周りの所とかも色々言われてるけど、この辺はおいおい整備何だろうな。

と、先に課題っぽいことを言っちゃいましたがこれは大きな第一歩だと思います! ミクランドとはまた別な方向性で面白かったですしね。

これから回を重ねるごとにレベルアップして参加者も増えてくるとVRで行われる定例イベントというよりもう一つの夏(あるいは冬)の定例イベントとして認知されるくらい育つと良いですね。

日本の深夜帯とかにアクセスすると外国人勢も結構居て、同人誌見ながら「oh, so cute...」とか言ってましたねw こういうボーダレスな参加が可能になるのはVRの魅力ですよね。あと、プラットフォームがVRChat以外もサポートしているのは良いですよね。ワールドのデザインとか複数対応はとても大変だと思いますが、この辺はUnityがある程度楽をさせてくれるのだろうか?

おもしろそうなので、今度は自分も出す側として参加してみたいなー。

それではHappy Hacking!

関連リンク

VRの未来を感じさせてくれたMIKU LAND GATE βに参加してきました

はじめに

mikuland.virtualcast.jp

2020.8.8(Sat)〜10(Mon)の三日間、VirtualCast上で開催されていたVRイベント MIKU LAND GATE βに参加してきました。 これはニコニコ超会議の一部として開催されたVRイベントでVirtualCastを使って広大な空間を作成しその中でイベントを開催するという近未来的なイベントです。

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同じようなVRイベントとしてはVRChat内で行われるV-KETがありますね。ただ、今回のミクランドでは(後述する買い物機能はありますが)即売会では無くテーマパークなのでそこが最大の違いでしょう。 www.v-market.work

VirtualCastの今出来ることの限界---あるいは限界以上に使ったのが今回のイベントだと思います。VirtualCastそしてVRの可能性を感じられる非常に良いイベントでした。

当日の様子は以下の「#ミクランド」のハッシュタグや公式放送から確認出来ます。

twitter.com

初音ミク公式VRワールド】MIKU LAND GATE β @ニコニコネット超会議2020夏 live2.nicovideo.jp live2.nicovideo.jp live2.nicovideo.jp

何がすごかったのか?

凄い凄いと言うだけではあれなので、何が凄かったかを書いていきたいと思います。

フラグシップとなるVCIや空間デザイン

今回のミクランドのワールドは「重力を感じる」をテーマに、住宅やビルなどの実際の建築物の設計を手掛ける「東海林健建築設計事務所/Takeru Shoji Architects」の一級建築士によりデザインされたそうです。

そのためか、VR的な非日常はありつつも実際にそこに居て違和感のない普通の空間でした。その実在感が「実際にイベント会場に来ている」というのをより強く感じさせてくれたと思います。 各モデルも非常に精巧でした。

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クオリティが凄かったのは何もワールドのデザインだけではありません。今回登場したVCIも非常にギミックに富んだものでした。

たとえば、ボタンを押すと絵が出現するホロポスター。

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買ってその場ですぐ使えるバーチャルコンタクトや着るのが少し難しいけど着せ替えコスプレセットなどもありました。パーツを買ってMayaモデル編集ソフト等でアタッチするのではなく、アクセサリの類をその場で付けれるのは良いですよね。

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時計やコメントビューアも付いているちびボカロエモートパネル。動画だと少し分かりづらいですがボタンを押すとエフェクトが出ます。

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他にもバーチャルドラムやバーチャルギター、バーチャルシンセサイザー等の実際に音が鳴る楽器など、VCIでここまでできるのか! という事を示してくれるまさにフラグシップとなるコンテンツが投入されていたと思います。

今後はユーザで作るVCIも公式VCIにインスパイアされた形のものがいくつか出るんじゃないかと。実際、私も作ってみたくなりましたし。まずはUnityの勉強からだけど。。。

VR上で買ってその場ですぐに使える

今回のミクランドでは実際にVirtualCast上で購入してその場ですぐに利用することが出来ました!

この購入体験は中々素晴らしくてVirtualCast上で取り扱えるものならその場でかって、すぐにカスタムアイテムとして利用できるのでVRとそれ以外を行ったり来たりする必要はありません。現状はVR上で買い物をする場合はQRコードを使って別で決済などが一般的だと思いますが、その場合は決済はさておきデジタルのものであっても実際に手に入れるまでに別の作業が入ります。VR上で買ってそのまま使えるというのは特に今回の公式VCIで出ていたカラーコンタクトやキューティリズムエフェクトだと大きなアドバンテージですね。UXが全然違うかと。

VRM/VCIそしてThe Seed Onlineの思想がまさに体現されてる部分だと思うので、この点はVirtualCast以外のVRにも広がって欲しいです。

ちなみに購入はその場でクレカ決済などではなく事前にVCCというポイントを購入してそちらでやる方式です。

他のVRやオフラインとの連動

VirtualCastのものがVirtualCast内で買えるだけではありません。今回VirtucalCast上で買ったミクさんや東雲めぐさんのポージングフィギュアはバーチャルキャストだけでは無くデジタルフィギュアアプリのHoloModelMakeAvatarの方でも利用できるようになります。

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これはどのプロダクトVRMを採用しているから出来るのかなぁ、と思ったりもしますが特典シリアルコードで買うのでシステム的な連携はそこまでしてないのかもです。

あと、こちらは従来的なQRコードシステムではあるものの、実際の物理的なマグカップが買えます。ゲーム内で購入して実際のものが届くのはセカンドライフでピザ頼めた感じでとても好きです。

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このあたりがさらに発展して、APIなどで自動連係できるようになるともっと面白いですね! VR上でのお買い物体験はAmazon的な便利な自動販売機としては向いてないと思いますが、買い物自体は単純にエンターテインメントの側面もあるのでその方向性にはかなりマッチしていると思いますし。

色んな人と出会える。ミクさんとも会える

自分の使い方的にVirtualCastはほぼ配信のために使ってたので、あまり人と会える事を意識してなかったのですが、今回は公式のオープンワールドという事もあって色んな人に出会えました。 パレード待ちとかで割と広場の公式配信前にみんな集まってわいわい話せたので初対面でも話す機会がある状況は良かったなー、と。VR上で人と話すのは本当に人と会って話してる感覚になるので、これはぜひ体験して欲しいですね。VRChatとかのがその辺は向いてそうですけど。

東雲めぐちゃんとやレン君と記念撮影もできました!(公式の) ミクさんとのは残念ながら出会えませんでしたが楽しかったです!

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ちなみに記念撮影の一番面白い所は実際にカメラを警備員(社長)に渡して撮影してもらう所です。カメラを渡せるというのが凄いという点もあるのですが、撮影会ではみんな順番待ちで並んだりとVRはデジタルな世界なのにアナログな体験ができるなぁ、とあらためて思いましたw

これは別に悪い事では無くて、実際を体験するという意味では非常に正しい状況だと思います。逆に効率的に行くならVRではなくよりデジタルに寄せた通常のWebとかの方が良いですからね。

画面の向こうとのコミュニケーション。みんなで作るイベント

MIKU LAND GATEはVR機器を持ってる人が直接入って楽しむ以外にも生放送配信としてニコニコ動画と繋がっていました。そのためVRの中だけではなくVRの外側ともコミュニケーションが取れるのですね。生放送配信とかに慣れているとそうでもないのですが、良く考えたら文字通りテレビの中の人と話してるのはすごい不思議な感じですよね。

あと、ニコニコ動画的だなと思ったのが今回は公式の生放送と繋がっているカメラはVR内の参加者ならだれでも自由に操作できました。なにされるか分からない懐が深い。。。 一応認識してる限りだとVR内の案内を買って出る人や色んなアピールをする人など色々いて、結果として非常に盛り上がったんじゃないかと思います。こういう草の根感はニコニコ動画的だよなー、とやはり思いますね。単純に潤沢に撮影係を用意するのは大変という事情もあるでしょうけどw

まとめ

βという事で安定度はまだまだという点はもちろんありましたが、それでもこのタイミングで出して頂いて良かったと思います。

今回はVirtucalCastで何が出来るのか? という技術的展示会の側面もありつつ、同時に単純に楽しいイベントとしてメチャクチャ面白かったので来年以降もぜひ開催して欲しいです。今回はβなので次が正式版と期待したいところですが、あえて永遠のβとしてギリギリを攻め続けてもらうイベントでも良いかもですね。(安定動作な正式版も見たいけどw)

もう一つ、今回は「その場で買ってすぐ使える」という点も含めてVCIの色んな側面を知る事が出来ました。色んなギミックも楽しかったですが特に購入体験が自分は一番印象的でしたね。 この部分をもっと作り混めばアクセサリ的なものをVCIで即購入できるだけではなく、動画やイラストをホロポスター的な感じで販売したり、マンガなんかもVirtualCast内で売買できそうですね。VRで買ってVRで漫画が読めて、同じデータが電子書籍としてPCやiPadでも読めるという世界は魅力的です。なんかちょっと作ってみたいな。。

という分けで、MIKU LAND GATE βの感想でした。改めてになりますが、VirtualCastそしてVRの可能性を感じられる非常に良いイベントでした!

今週は他にもComicVketにポケモンバーチャルフェストなどVRイベントが目白押しなので本当に楽しみです。

それではHappy Hacking!

テックポエマーのWeekly News! - 2020/08/02 - 10分問タイトル詐欺を反省

www.youtube.com

今週から「10 min」から「Weekly」に変えて自分に正直になりました。今週はProxyless Service Meshがちょっと面白かったですね。Apache Arrow も1.0になったという事で共通データフォーマットとしてのポジションがますます固まるんじゃないかと思います。

今週のサマリ

  • Apache Arrow 1.0
  • Proxyless Service Mesh
  • Amazonも衛星インターネット事業へ
  • OpenJDKもGitHub

動画中の引用記事

gigazine.net

www.techradar.com

jp.techcrunch.com

cloud.google.com

itnews.org