【Vキャス用】Unity無しでWebからVRスライドが作れるVCIスライドジェネレータを作ってみた

はじめに

バーチャルキャストではVCIというアイテムを使う事で様々なインタラクションが出来ます。 これはメチャクチャ便利なんですが、当たり前の話として3DのアイテムなのでUnityが必要。でも、スライドVCIや音楽プレイヤー、あるいはホロポスターや電子書籍みたいなのは コンテンツの中身だけ差し替えれれば良い ので、もっと手 軽にパッケージング できれば絵師さんとかコンテンツクリエイターの人に使いやすいのに、と思って UnityなしでWebサイトにアップするだけでVCIに変換できるデモサイト を作ってみました。ちなみに将来的にはSlide4VRの方に組込む予定です。

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解説動画で使い方やモチベーションに関しての動画も作りました(Youtube版, ニコニコ版)。 使用しているスライドはこちら


【Vキャス用】UnityなしでVRスライドが作れるVCIスライドジェネレータを解説

使い方

使い方はとても簡単で以下の3工程だけ!

  1. パワポGoogle Slideでプレゼン用のPDFを作ります。16:9に最適化されてます。
  2. デモサイト にアクセスしてPDFをアップロード
  3. ダウンロードしたVCIをThe Seed Onlineにアップロード。これだけです!

ちなみにできたもののサンプルがこちらとなります。

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なお、元になってるテンプレートは私の「はじめてのVCI」なので、クオリティは今三つくらいですw 誰か良い感じのをお願いします!

なんでこんなの作ったの?

UnityなしでVCIが作りたいから!

です。

もうちょっとちゃんと解説すると、冒頭にも書いた通りコンテンツ系のVCIはリソース差し替えで原則量産できるはずなので、パッケージのためだけにUnity必要なのはなんだかなー、と思ってました。 コンテンツホルダーの方がもっと気軽にVR上にコンテンツを出せれば良いのに、と。その時に、たとえどんなに簡単でもいきなり 「ではUnityをインストールしてVCIプラグインを入れてください」 から始まりますし、パソコン得意な人でも3D触ったことなければそれだけで少なくとも1日はつぶれちゃいます。

というわけで、ハードルが高いのでもっとUnity無しで簡単にしたいというのがモチベーション。

同じようなことを考えられてる人はもちろん他にもいて、ねこますさんなんて2019年から同じようなコンセプトのものを作られてます。

www.nicovideo.jp

スライドに関しても120byteさんがすでに。 booth.pm

他にもおぐらさんが「VCI「本」作成キット」をUnity Packageで作られています。

booth.pm

他にも探せばもっとあると思います。どれも超素晴らしいツールなので私なんもしなくて良いかな? とも思ったのですが、Unity Packageはもちろんデスクトップ版もUnityベースにしてる都合上デスクトップにアプリをインストールする必要があるので、Webならインストールも不要になるし、もっと簡単に出来るんじゃないかな? という気持ちで比較的得意なWebアプリとして今回作ってみました。C#以外の言語でVCIを読み書きする参考にもなりますしね。

技術的な解説

基本的な発想としてはテンプレートになるVCIをRubyで解析して、画像などのリソースになる部分だけを差し替えています。テンプレートになるVCI自体はUnityで作ってますね。理論的には完全に独自で作ることも可能なんですが、3Dモデルを弄る部分はUnityで作るのが無難でしょう。エディタ自体作りたいなら別ですけれど。

今回はRubyで書いていますが、単なるシンプルなバイナリ操作なのでJSでもJavaでもC#でも問題なく対応できると思います。

元になるVCIを変更すれば音楽プレイヤーとかホロポスターとか自在に作れるはずです。たぶん。

ソースコードは以下に置いてあります。 github.com

また、VCIのフォーマットなどより詳細な情報はこちらをどうぞ。

zenn.dev zenn.dev

VCIはVRMと違ってあくまでVキャスの仕様なので、フォーマットとかの仕様書は特に公開されて無さそうなのですがglTFなのでバイナリ解析自体は一般的な方法で出来ますね。あとは雰囲気でリバースエンジニアリング

今後の予定

今後の予定としては 「はじめてのVCI」 がテンプレートなので、さすがにもうちょっと機能強化はしたいと思います。リモコンとか欲しいし。 その上で、Slide4VRへの取り込みですね。その他にもMusic Playerとかは作ってみたいです。レコードを切り替えると別な曲が再生できるようなの。ホロポスターもチャレンジしたいのですがあんなVCIを劣化版ですら書ける気がしない。。。

ちなみにソースコードはMIT Licenseなので、気兼ねなくコピッて 「お前のダサいVCIじゃなくてもっと良い感じの のVCIやサービスを作ってやんよ!」 というのをお待ちしております。VCI書けるけど、Webは分からんという人は私にVCI連携いただければなんとかしますー。一番良いのを頼む!

まとめ

というわけで、WebからVRスライドが作れるVCIジェネレータの紹介でした。

VCIはユーザストアで有料販売もできますし、VRSNSでの即売会も一般的になってきました。今後、VキャスもRoomでセレクトショップを作る人が現れたり、もっともっと発展すると思います。そんな時に、コンテンツクリエイターの方々が手軽にパッケージングして販売できるようになれば、VRに物凄い興味がある方じゃなくてもカスタマーチャネルの一つとして当たり前に扱ってもらえる時代を期待しています。電子書籍書いたからKindleKoboとBookwalkerに出版したし、ついでにVキャスも出すか、くらいのノリで。

みんなでバーチャルキャストを盛り上げていきましょう!

それではHappy Hacking!