VRの未来を感じさせてくれたMIKU LAND GATE βに参加してきました

はじめに

mikuland.virtualcast.jp

2020.8.8(Sat)〜10(Mon)の三日間、VirtualCast上で開催されていたVRイベント MIKU LAND GATE βに参加してきました。 これはニコニコ超会議の一部として開催されたVRイベントでVirtualCastを使って広大な空間を作成しその中でイベントを開催するという近未来的なイベントです。

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同じようなVRイベントとしてはVRChat内で行われるV-KETがありますね。ただ、今回のミクランドでは(後述する買い物機能はありますが)即売会では無くテーマパークなのでそこが最大の違いでしょう。 www.v-market.work

VirtualCastの今出来ることの限界---あるいは限界以上に使ったのが今回のイベントだと思います。VirtualCastそしてVRの可能性を感じられる非常に良いイベントでした。

当日の様子は以下の「#ミクランド」のハッシュタグや公式放送から確認出来ます。

twitter.com

初音ミク公式VRワールド】MIKU LAND GATE β @ニコニコネット超会議2020夏 live2.nicovideo.jp live2.nicovideo.jp live2.nicovideo.jp

何がすごかったのか?

凄い凄いと言うだけではあれなので、何が凄かったかを書いていきたいと思います。

フラグシップとなるVCIや空間デザイン

今回のミクランドのワールドは「重力を感じる」をテーマに、住宅やビルなどの実際の建築物の設計を手掛ける「東海林健建築設計事務所/Takeru Shoji Architects」の一級建築士によりデザインされたそうです。

そのためか、VR的な非日常はありつつも実際にそこに居て違和感のない普通の空間でした。その実在感が「実際にイベント会場に来ている」というのをより強く感じさせてくれたと思います。 各モデルも非常に精巧でした。

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クオリティが凄かったのは何もワールドのデザインだけではありません。今回登場したVCIも非常にギミックに富んだものでした。

たとえば、ボタンを押すと絵が出現するホロポスター。

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買ってその場ですぐ使えるバーチャルコンタクトや着るのが少し難しいけど着せ替えコスプレセットなどもありました。パーツを買ってMayaモデル編集ソフト等でアタッチするのではなく、アクセサリの類をその場で付けれるのは良いですよね。

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時計やコメントビューアも付いているちびボカロエモートパネル。動画だと少し分かりづらいですがボタンを押すとエフェクトが出ます。

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他にもバーチャルドラムやバーチャルギター、バーチャルシンセサイザー等の実際に音が鳴る楽器など、VCIでここまでできるのか! という事を示してくれるまさにフラグシップとなるコンテンツが投入されていたと思います。

今後はユーザで作るVCIも公式VCIにインスパイアされた形のものがいくつか出るんじゃないかと。実際、私も作ってみたくなりましたし。まずはUnityの勉強からだけど。。。

VR上で買ってその場ですぐに使える

今回のミクランドでは実際にVirtualCast上で購入してその場ですぐに利用することが出来ました!

この購入体験は中々素晴らしくてVirtualCast上で取り扱えるものならその場でかって、すぐにカスタムアイテムとして利用できるのでVRとそれ以外を行ったり来たりする必要はありません。現状はVR上で買い物をする場合はQRコードを使って別で決済などが一般的だと思いますが、その場合は決済はさておきデジタルのものであっても実際に手に入れるまでに別の作業が入ります。VR上で買ってそのまま使えるというのは特に今回の公式VCIで出ていたカラーコンタクトやキューティリズムエフェクトだと大きなアドバンテージですね。UXが全然違うかと。

VRM/VCIそしてThe Seed Onlineの思想がまさに体現されてる部分だと思うので、この点はVirtualCast以外のVRにも広がって欲しいです。

ちなみに購入はその場でクレカ決済などではなく事前にVCCというポイントを購入してそちらでやる方式です。

他のVRやオフラインとの連動

VirtualCastのものがVirtualCast内で買えるだけではありません。今回VirtucalCast上で買ったミクさんや東雲めぐさんのポージングフィギュアはバーチャルキャストだけでは無くデジタルフィギュアアプリのHoloModelMakeAvatarの方でも利用できるようになります。

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これはどのプロダクトVRMを採用しているから出来るのかなぁ、と思ったりもしますが特典シリアルコードで買うのでシステム的な連携はそこまでしてないのかもです。

あと、こちらは従来的なQRコードシステムではあるものの、実際の物理的なマグカップが買えます。ゲーム内で購入して実際のものが届くのはセカンドライフでピザ頼めた感じでとても好きです。

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このあたりがさらに発展して、APIなどで自動連係できるようになるともっと面白いですね! VR上でのお買い物体験はAmazon的な便利な自動販売機としては向いてないと思いますが、買い物自体は単純にエンターテインメントの側面もあるのでその方向性にはかなりマッチしていると思いますし。

色んな人と出会える。ミクさんとも会える

自分の使い方的にVirtualCastはほぼ配信のために使ってたので、あまり人と会える事を意識してなかったのですが、今回は公式のオープンワールドという事もあって色んな人に出会えました。 パレード待ちとかで割と広場の公式配信前にみんな集まってわいわい話せたので初対面でも話す機会がある状況は良かったなー、と。VR上で人と話すのは本当に人と会って話してる感覚になるので、これはぜひ体験して欲しいですね。VRChatとかのがその辺は向いてそうですけど。

東雲めぐちゃんとやレン君と記念撮影もできました!(公式の) ミクさんとのは残念ながら出会えませんでしたが楽しかったです!

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ちなみに記念撮影の一番面白い所は実際にカメラを警備員(社長)に渡して撮影してもらう所です。カメラを渡せるというのが凄いという点もあるのですが、撮影会ではみんな順番待ちで並んだりとVRはデジタルな世界なのにアナログな体験ができるなぁ、とあらためて思いましたw

これは別に悪い事では無くて、実際を体験するという意味では非常に正しい状況だと思います。逆に効率的に行くならVRではなくよりデジタルに寄せた通常のWebとかの方が良いですからね。

画面の向こうとのコミュニケーション。みんなで作るイベント

MIKU LAND GATEはVR機器を持ってる人が直接入って楽しむ以外にも生放送配信としてニコニコ動画と繋がっていました。そのためVRの中だけではなくVRの外側ともコミュニケーションが取れるのですね。生放送配信とかに慣れているとそうでもないのですが、良く考えたら文字通りテレビの中の人と話してるのはすごい不思議な感じですよね。

あと、ニコニコ動画的だなと思ったのが今回は公式の生放送と繋がっているカメラはVR内の参加者ならだれでも自由に操作できました。なにされるか分からない懐が深い。。。 一応認識してる限りだとVR内の案内を買って出る人や色んなアピールをする人など色々いて、結果として非常に盛り上がったんじゃないかと思います。こういう草の根感はニコニコ動画的だよなー、とやはり思いますね。単純に潤沢に撮影係を用意するのは大変という事情もあるでしょうけどw

まとめ

βという事で安定度はまだまだという点はもちろんありましたが、それでもこのタイミングで出して頂いて良かったと思います。

今回はVirtucalCastで何が出来るのか? という技術的展示会の側面もありつつ、同時に単純に楽しいイベントとしてメチャクチャ面白かったので来年以降もぜひ開催して欲しいです。今回はβなので次が正式版と期待したいところですが、あえて永遠のβとしてギリギリを攻め続けてもらうイベントでも良いかもですね。(安定動作な正式版も見たいけどw)

もう一つ、今回は「その場で買ってすぐ使える」という点も含めてVCIの色んな側面を知る事が出来ました。色んなギミックも楽しかったですが特に購入体験が自分は一番印象的でしたね。 この部分をもっと作り混めばアクセサリ的なものをVCIで即購入できるだけではなく、動画やイラストをホロポスター的な感じで販売したり、マンガなんかもVirtualCast内で売買できそうですね。VRで買ってVRで漫画が読めて、同じデータが電子書籍としてPCやiPadでも読めるという世界は魅力的です。なんかちょっと作ってみたいな。。

という分けで、MIKU LAND GATE βの感想でした。改めてになりますが、VirtualCastそしてVRの可能性を感じられる非常に良いイベントでした!

今週は他にもComicVketにポケモンバーチャルフェストなどVRイベントが目白押しなので本当に楽しみです。

それではHappy Hacking!